あまりにも間違いが多いので、訂正する。
大小関係なく、指摘する。
間違いとはいえないが、疑問に思った点も含む。
まず、はじめにアスキーも認めている公式な間違い。
ジャパンクールと情報革命 – 正誤情報
P42とP43だけで、5ヵ所の正誤情報が出ている。
この件については書籍に正誤表が挟まれている。
細かくいうと、P43の
二次創作物をづくり、
も”つくり”の誤植であるが。
これは、”ただ5ヵ所の間違い”という以上の意味を持つ。
なぜなら、この本の帯には、
なぜ涼宮ハルヒが世界で愛されるのか?
とでかでかと書かれているからだ。
“涼宮ハルヒ”でファンをおびき寄せてのこの間違い。
これは大きな意味を持つのではないだろうか。
次にP45の間違い。
本文から引用する。
だが今なおアメリカは、そのヴェルヌ条約にも加盟せず、
アメリカ合衆国は1989年3月1日付で加盟し、80番目の加盟国となっている。
CA642 – アメリカのベルヌ条約加入と著作権法 / 小林正 | カレントアウェアネス・ポータル
約20年前の話だ。
いつの情報を元にこの本を書かれているのだろうか。
また、”ベルヌ条約”を”ヴェルヌ条約”と記す方も初めて見た。
通常は”ベルヌ条約”と書く。
なぜなら、”ベルヌ”は”Berne”であり、”ヴェ”と発音することはないからだ。
Googleでのヒット件数も、完全一致検索で検索した結果、
“ベルヌ条約” の検索結果 約 50,300 件
“ヴェルヌ条約”の検索結果 40 件
となっている。(2008.10.24現在)
P62
そもそも「中東」という呼称からして西欧の視点に立った見方であり、日本から見れば本来は西アジアと呼ぶべきだ。
韓国の「東海呼称問題」と同じ理論。
国際的にどのような名称で呼ばれているかが問題。
次にP66。
これはこちらの勉強不足かもしれないが、違和感を感じたので記しておく。
まず、引用する。
そもそも革命とは、元の社会の失敗の結果として急激に起こる事象である”
著者はこう『革命』を定義している。
“急激に起こる事象である”という点には同意するが、”元の社会の失敗の結果として”に違和感を感じた。
こういう意味だったかなと。
この定義が崩れると、前後の文脈が大きく異なってくる。
P93
『スーパーマリオ』や『ポケモン』『遊戯王』などのゲームソフトが世界ですでに受け入れられていたのである。
『遊戯王』についてはゲームソフトではなく、カードゲームではないだろうか。
P97
アニメがきっっかけとなった欧米の日本文化熱
誤植。
P98
かつて欧米では、日本製アニメーションには暴力とセックス描写が頻出することから青少年に悪影響を与えるとして”ジャパニメーション”なる蔑称で呼ばれていた。
なぜ蔑称となるのかが説明されていない。
日本国内ではマスコミなどで普通に使われている言葉であり、蔑称だと感じている日本人は少ないだろう。
なぜ蔑称なのかというと、JapanimationをJap+Animationと読むことができるからだ。
P176
そしてインターネット上に拡散する情報の一元化を掲げてきたグーグルは、今度は自社製の小型携帯端末「Android」の開発に踏み切り、「モノづくり」の分野にまで事業を広げようとしている。
大きな勘違いをされているようだ。
『Android』とは、携帯電話用ソフトウェアのプラットフォームのことであり、Google自身が主導で、小型携帯端末を開発しているわけではない。
Googleが提供するのはソフトの部分だ。
先日、アメリカで発売されたAndroid端末「T-Mobile G1」は、台湾HTCが開発したものだ。
HTC – Touch Phone, PDA Phone, Smartphone, Mobile Computer: Products – T-Mobile G1: Specification
ソフトのGoogleとハードのSonyを比べる意味はあるのだろうか?
間違いはこれだけではないかもしれない。
もっと多くの間違いがある可能性がある。
この本を読む際は、話半分で読むことをオススメする。