タリーズコーヒージャパン起業者、松田公太氏の自伝的起業物語。
この本は元々、2002年に発売された本である。
加筆し、文庫化され、2005年されたものが本書である。
だが残念ながら、松田公太氏は2006年に社長を退任している。
本書は、プロローグに
ちなみにこの本は、ビジネスのHOW TO本ではない。私の幼い頃から現在まで経験してきたことを、記憶の限り洗いざらい書き記す内容のなかから、読者の方々が各自の目標に向けたヒントを感じとってもらえればと思っている。
とあるように、HOW TO本ではない。
だが、多くのヒントが詰まっている本である。
松田氏の考え、価値観、人との接し方、教育論など、多くのことが参考になる。
読む人の現状の立場により、得るものは変わってくるだろう。
就職活動関連本として、「就活生が読むべき本。」として紹介されることも多い本書だが、なるほど、その意味がわかった。
人生においての、ヒントを多く得ることもできるが、就活生としてもっとも大事な部分、「情熱」の大切さを知ることができる。
松田氏自身、起業時、飲食店経営のノウハウはさほど持っていなかった。
しかし、情熱は持っていた。この情熱のみでこれだけのことを成し遂げた。
松田氏はこう記している。
情熱は誰でも平等に持つことができる。その点が生まれ持っての資産や容姿、才能とは違う。(中略)また、情熱は不思議と「運」をも引き寄せ、不可能だと思っていたことを可能にしてしまう力も持っている。