自称イタリア人、戯作者パオロ・マッツァリーノの教育論。
ショートコント風に書かれたストーリーの中で、マッツァリーノ流の教育論を披露しています。
また、各コントの終わりには統計データや関連書籍が紹介されており、これも非常に参考になります。
おもしろい。
教育論だなんだという問題は置いて、コントとしてのおもしろさも評価したい。
そのストーリーの中で披露される教育論。
今まで考えたこともないような、考えつかないような論も書かれています。
だけども、「なるほどな。」と思ってしまう。
例えば、P.171『父と子のためのできちゃった婚』
できちゃった婚について、父が子に語るシーン。
「自分の人生を変えてまで、こどもを生んだんだ。その決断もすごいじゃないか。それって、立派なことだと思わないか」
できちゃった婚に関しては、ネガティブな意見がどうしても多くなる。
夫婦として安定せぬうちに子どもを作ってしまうのは、無責任といえるかもしれない。
でも、それでも生むということは立派なこと。
考えを改める必要があるかもしれない。
こういった気づきがあるのが、パオロ・マッツァリーノ著作の良いところ。
本書、最終章(P.224)に書かれたこの言葉。
おじいちゃんが息子(お父さん)と、居酒屋で飲むシーン。
「なんでお前は仕事で忙しいのに、無理してまでこどもと遊ぶ時間を作ろうとする。」
「親子の絆を深めるためには、コミュニケーションが必要だろ。それが教育の原点だし、親の務めだ。」
「教育やしつけをきちんとすれば真人間に育つなんて保証はどこにもないぞ。」
以下、まだ続くわけですが、この章に書かれていることは考えさせられる。
教育ってなんなんだろ。
なにが理想でなにがダメなのか。
おそらく正解はないんだろうな。
ん~ 教育って難しい。