パオロ マッツァリーノ / 筑摩書房 ( 2007-07 ) /
の続編という位置づけ。
元々は、
パオロ・マッツァリーノ / 二見書房 ( 2005-11 ) /
という作品で、これに加筆・修正を行ったものが、本作。
「補講」という形で加筆されている部分がなかなか中身の濃い内容となっている。
上記の『反社会学の不埒な研究報告』の既読者にもお勧め。
本作でも、マッツァリーノらしさが出ています。
「くよくよ」「勲章」「GDP」「武士道」などをネタに。
テーマは違うけれど、登場人物がリンクしているのが読んでておもしろい。
新渡戸稲造は日本人に『武士道』を読ませたくなかった、という説。
非常に興味深い。
そして、こう、胸につかえていたものが取れた気がした。
なぜかというと自分自身、新渡戸稲造が『武士道』を著したことに違和感を感じていたから。
西洋かぶれな新渡戸稲造が『武士道』?
ずっと疑問に感じていた。
なるほど、あれは外国人のみを対象とし、著したものだったのか。
ラストに収録されている『あなたにもビジネス書が書ける』。
なんでこんなのを収録したんだ、とか、これだけ全体から浮いている(P.13)
といった批判があったと、まえがきで書かれているが、たしかに浮いている。
でも、たしかにおもしろい。
数年前に書かれた作品ということだが、今の時代にも、ぴったりな作品。
[Discover – ディスカヴァー]辺りで出版している著者さんに読んでもらいたい笑
本文で気に入った言葉を抜き出してみる。
もっともらしい正論ほど、眉にツバつけて聞かなければいけません。(P.218)
知らないことを調べることを、学問といいます。
知ってることだけしゃべるのは、単なる雑学自慢です。(P.291)