何かしらの点で、彼らは根本的に間違っている。なぜなら、私が間違っているはずがないからだ。(P.5)
という文学史に残る、名書き出しで始まる本作。
本作は、森見登美彦作家デビュー作品であり、日本ファンタジーノベル大賞受賞作である。
読む前、友人に「[夜は短し歩けよ乙女]とは違うよ。」と言われ不安に思いつつ読んだが、面白いじゃないか。
読んでみると、登美彦ワールド全開であった。
我らが吹田の象徴、『太陽の塔』を重要なキーワードをしていることが非常にうれしい。
森見登美彦作品は読む人間を選ぶのだろう。
文学好きで、オタク気質で、モテない人生を送り、男臭い、妄想を常とし生きてきた人間にとってはドンぴしゃな作風である。
そういった人間は森見登美彦作品の主人公に感情移入しやすい。
そして、そういった人間は森見登美彦作品に出てくるようなタイプの女のコが好きだったりする。
こういったことが理解できない人間は読まないほうがいいだろう。
[三崎亜記]や[山田悠介]をお勧めする。
森見登美彦作品を数冊読み、わかったことがある。
なぜ森見登美彦氏の結婚があれだけ騒がれたのか。
「許さん。許さんぞお……」
遅ればせながらも、お幸せに。
[2009-01-06 – この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよ]
解説が本上まなみさんであり、本上まなみ好きな自分としては、うれしい事態。
登美彦、よくやった。