【書籍情報】
少年時代に大阪で阿呆の薫陶を受け、大学時代に自分探しの旅先で全財産を失い、はては作家目指して単身東京へ。ホルモーでついに無職を脱するも「御器齧り」に苛まれ、噛みまくるラジオに執筆を阻まれ、謎の名曲を夢想する日常は相変わらず。そのすべてを飄々と綴った初エッセイ集。文庫版あとがき「その後の万歩計」を収録。
【読書メモ】
別に、自分がおもしろいと思ったことを好きに書いたらいいのだと、急にまわりの壁が取り払われたように感じたことを、今でもはっきりと覚えている。(P.014)
そう、懐かしいところでガット・ウルグアイラウンドみたいな意味でしょうか(P.069)
別段アイデアも浮かばないのでホーミーを奏でる。(P.080)
「アラビア海とオマーン…」
で途切れ、数秒のブランクののち、三井はぽつりと、
「湖…」(P.111)
「いやあーーー明るい!」
ブブー。3篤史(篤史はポイントの単位)。(P.123)
「お前ら、先生の言うことにハムかうんやったら肉屋行けッ」(P.228)
【感想】
書店で見かけ「そういや読んでないな。」と思いつつ、家に帰り驚いた。
2ヶ月前に買って積ん読していたらしい。
積ん読の山から取り出し、
「万城目氏の行動力すげぇなぁ」と思ったり、
「”声を震わして”は関西弁表記なのか!」と驚いたり
「黒い稲妻」の描写に戦慄したりしながら、
一気に読み終えた。
万城目氏を知れた一冊だったなと。
まぁ ご本人にお会いしたことないのでどれだけ知れたかはわかりませんが。
でも、書店員時代に万城目氏のご友人だという方にお会いしたことはある。
ほんとにうれしそうに本を買って行かれたのが印象的。
それにしてもこの語彙力と文章構成力がうらやましい。
見倣いたいもの。