■はじめに。
に参加しました。
YouTube、Twitter、Facebook、等多様なソーシャルメディアが出現し、各世代が利用するメディア、デバイス、それらの利用時間、場所、そしてメディアへの関わり方が多様化してきています。それに伴い、企業のマーケティング戦略や広告出稿においても、ソーシャルメディアの出現に対応した変化が求められています。
今回は、グーグル株式会社 プロダクト マーケティング マネージャーでいらっしゃる長谷川泰氏をお招きして、創業から5年経ったYouTubeのこれまでの進化、YouTubeやその他のソーシャルメディアで実施された様々なマーケティングや広告事例は勿論、その実施結果を踏まえながら、今後のマーケティングやブランディングが向かうべき新しい方向性についての考察をご紹介いたします。
という内容。
学生向けの講演を考えておられたらしく、深くマーケティングに関わっておられる方々には、
物足りない内容だったかもしれません。
ただ、その点では自分は素人なので勉強になりました。
事例紹介が多く、CMフェスティバルのような楽しめ方ができました。
以下、長谷川さんのお話と自分の考えを交えつつ、講演内容を紹介していきます。
■Youtube。
●Youtubeについて。
Youtubeは今年で設立5周年。
そしてこの動画が日本初投稿の作品。
4秒と短い動画ですが、
2バイト文字が表示できない。
と歴史を感じさせるコメントが残されている。
現在、Youtubeは数多くの国・地域、数多くの人々に視聴されている。
- 地上波TV局が公式チャンネルを開設
- 他のソーシャルメディアとの連携(投稿されたtweetは平均で7クリックされている。)
- ライブストリーミングの実施
- 自動字幕の表示(聴覚障害者でも視聴可能。自動翻訳機能も。)
- HD画質対応(元々は画質に問題があったYoutubeだが、現在はフルHDにも対応。)
- 3D映像対応(実は既に3D映像に対応済み)
と、日々、Youtubeは進化を続けている。
●Youtubeでの広告。
★Start
トップページで注目を集める。
エキスバンド型広告やマストヘッド(横長)な広告を設置する。
車の広告でよく使われる。
※どういう形かは以下を。
★Discover
Youtubeは検索エンジンとしてもよく使われる。
日本国内3番目の利用回数。
検索連動型広告プロモート動画が設置される。
★Watch
Youtubeは1日20億回以上再生されている。
InVideo 広告などの動画ターゲティングツールで広告のパフォーマンスを高める。
★Engage
(詳細不明)
●Youtubeの著作権管理技術
有名なスーザン・ボイルの動画。
この動画はユーザーによりアップロードされた。
また、違うユーザーにより勝手に日本語訳された動画もアップロードされている。
通常ならこの動画はブロックされる。
だが、TV局はこの動画を削除せずにトラッキングした。
ちなみに、こういった違法アップロードされた動画は自動的に検出される。
例えば、TV画面をビデオカメラで撮影した動画であっても検出可能。
こういった違法アップロードの動画について、著作権者は3つの手段を選ぶことができる。
- ブロック
- トラッキング
- 収益化
★ブロック
動画を視聴不能にすること。
★トラッキング
トラフィック情報を入手すること。
これにより本来視聴できないエリア(地域・国など。)でどういう反応があったのか等を知ることができ、今後のマーケティングに活かされる。
★収益化
違法アップロードされた動画に広告を表示させ、著作権者とYoutubeの収益とする。
●Youtubeのこれから。
- インターフェース
- コミュニティ
- 速度・視聴性 処理速度
- 解析機能
の強化を目指す。
■ソーシャルメディアマーケティング(SMM)。
●ソーシャルメディアマーケティング(SMM)について。
SMMでは、
話題になることを目的
とする。
以下のような手法がある。
- Buzz/Viral動画型
- UGC採用型
- ユーザ参加型
- イベント・展示連動
- Yotube機能活用型
★Buzz/Viral動画型
コンテンツ自体におもしろさが求められる。
ユーザー自身がわざわざ見に来たり、人に勧めることで話題となる。
▼Evian社が仕掛けたCM。
▼Blendec社のTotal Blenderの広告。
(これ流したときはウケましたw さすがGoogle!)
▼ニュージーランド航空のCM。
セクシュアルではなく、セクシーである動画がバイラルする。
★UGC採用型
ユーザー発の作品を企業がタイアップしたCM。
おもしろくないものもあるが、量が質を上げている。
▼メイクアップの実演マニュアルを公開しているユーザー。
これをきっかけにLancôme USAと契約し、Lancôme製品を使用した動画をアップロードしている。
▼日本人の野菜楽器アーティスト 小山淳志さんを起用したフィンランドのCM。
元々、小山さんがYoutubeに投稿した動画が話題になっていた。
▼東芝がnariomaruさんに依頼して制作したCM。
▼EAがユーザの投稿にレスした動画。
既存のユーザがエンゲージメントの起爆剤となった。
★ユーザ参加型
ユーザが参加(投稿)する仕掛けのマーケティング。
▼2000件以上の投稿があり、この形では世界でも最も成功した事例のひとつである。
- ロッテ|Fit’s ダンスコンテスト with YouTube
▼ポストイットのユニークな利用方法を募集した。
▼GoogleのCM。
「すべての検索にはストーリーがある」をコンセプトにした動画を募集。
それを元にしてCMを作成した。
★イベント・展示連動型
▼T-MobileのCM。
「共有することは楽しい」を表現。
このCMのよかったところは一回で終わらなかったこと。
▼TOYOTA iQ
Youtubeユーザを集め、ライブを行った。
▼フォルクスワーゲンのCM。
フォルクスワーゲンのブランディングに直繋がる広告ではない。
「おもしろくすることで社会を良くしよう」というコンセプト。
★Yotube機能活用型
▼Youtubeを利用し、HPを作成した。
田舎の広告会社だが、これをきっかけに世界中から依頼がくるようになった。
■Youtubeを活用したSMMの効果。
★某社の成功例。
テレビCMよりもYoutube動画接触後のほうが購入意欲が高いという結果が出た。
パーチェスファネルの向上を期待できる。
★IKEAの成功例。
人に勧めたい・広めたいといった波及効果をSMMには期待できる。
例えば、IKEAがFacebookをプロモーションに利用した例。
Facebookに店長のプロフィールを制作し、ショールームの写真を公開。
その写真に最初にタギングした人にその商品をプレゼントするという企画。
ユーザは商品を把握しておかなければならず、IKEAのWebカタログへのアクセスも増加した。
タギングした写真はそのユーザのパーソナルリンクに表示されるため、多くのユーザの目に触れることとなる。
★ハーゲンダッツのミツバチ減少問題の啓蒙動画
「Haagen-Dazs Loves Honey Bees」というキャンペーンを行い、ミツバチ減少という社会問題に触れた。
キャンペーンで集められたお金は調査機関へ寄付された。
●SMMのこれから。
以下はGoogle社の考えではなく、長谷川氏個人の考えだそうです。
その点を強調されてました。
今後、ネットユーザは拡大していく。
携帯電話からのユーザも増加し、SMに触れる時間が増加する。
ひとつのソーシャルメディアが使われることはなく、デバイスも別々のものからアクセスされる。
また、「ソーシャルメディアマーケティング」という言葉はなくなり、当然のものとして扱われ、マーケティングの一部として普通に考えられるようになる。
●SMMの5P
★Pulse
情報に耳を傾け理解する。
解析ツール等を活用し、世の中の興味を知る。
信号をキャッチする。
★Pace
世の中のペースがどんどん速くなっている。
ユーザのスピードに合わせる。
★Precision
情報の正確さが求められる。
対象・話題・場所を理解し、精度良くターゲットに伝える。
★Performance
Google Insights for Searchなどのツールを使い解析する。
徹底的に解析し、効果を測定し改善していく。
★Participation
自ら参加していく。
動画にコメント、またそれに対して返信の動画を作成するユーザが少ない。
視聴するだけではなく、一員になる。
どんどん入っていく必要がある。
経験を元に作り上げる。
●SMMで理解しておくこと。
SMMでは、ユーザが「なににむかつくのかを知る」ことが大事。
どういった情報で腹が立つのか、喜ぶのか。
常にメモしておく。
自分自身、中に入っていき、その点を理解した上でなにをすべきかの材料とする。
■Q&A
Q1:
メーカサイトよりYoutubeのほうが再生数が多い。
メーカサイトについてどう考えているか?
A1:
モノを買うとき、まず、メーカのサイトを見て価格.comなどでレビューを見て判断するユーザが多い。
与えられた情報だけでは判断しなくなっている。
だからといってSMMだけに注力するのではなく、連携していく。
メーカサイトは引き込む場所としてクオリティを保たなければならない。
Q2:
肖像権についてはどう考えているか?
A2:
アップロード者には被写体への許可を義務づけている。
現在は、ユーザからのクレームがきてからの対応となっている。
■おわりに。
以上です。
動画もあるので少し重くなってしまっているかもしれません。
意味的にズレたことは記述していないつもりです。
間違いや意図していない記述があればご連絡を。
今回のセミナーで1番大事だなと感じた点は、
SMMでは、ユーザが「なににむかつくのかを知る」ことが大事。
この点を理解せずにSMMを行っている企業は存在します。
おそらく良い効果は得られていないでしょう。
企業にはこの点を十分理解した上でSMMを行ってほしいものです。
※加筆・修正 2011.02.09 21:50